『イップ・マン外伝 マスターZ』(原題:葉問外傳 張天志)

詠春拳を捨てた男が、再び拳を取り戻す物語

『イップ・マン』シリーズのスピンオフ作品として制作された『マスターZ』。
本作は、イップ・マンに敗れた詠春拳の男、チョン・ティンチ(張天志)のその後を描いた作品です。


詠春拳のファンとしてはたまらない“あの技”が表紙に!

この映画のポスターにも大きく描かれているのが、詠春拳の代表的な技・ボンサオ(Bon Sao)の構え。
私自身、まだボンサオを習う前にこの映画を見て、その構えのかっこよさに憧れていました。

そして、実際に自分が稽古でボンサオを習ったとき、自然とこの映画のワンシーンが思い出されて──
「ついにこの動きを自分の体でできたんだ」と、ちょっと感動してしまいました。


詠春拳は“後半”に登場する──でもインパクトは絶大!

この作品の主人公チョン・ティンチは、イップ・マンに敗れた後、武術から離れて一般人として暮らしています。
そのため、物語の前半では詠春拳の登場はありません。色々とトラブルに巻き込まれて格闘自体は多いんですけどね。

でも、物語が進むにつれて彼自身が“本当の自分”と向き合い、再び詠春拳を取り戻していく過程が描かれ、
後半の吹っ切れた瞬間からの詠春拳炸裂──特にボンサオの動きは圧巻!

詠春拳の動きの美しさ、合理性、そして力強さが、スクリーンいっぱいに広がります。


詠春拳だけじゃない、全編を通してのアクションも必見!

もちろん、本作の魅力は詠春拳だけではありません。
香港映画ならではの多彩なアクション、武器や剣術、大勢との乱闘、独特の間合いと緊張感……。
それでいて洗練された実戦的な格闘で、古いカンフー映画の打ち合わせを感じる攻防とは異なります(それはそれで好きなのですが)

どの戦闘シーンも見ごたえがあり、武術を学んでいる者としても「どうなってるの!?」と唸るような動きばかり。
詠春拳を学んでいない人でも、アクション映画として純粋に楽しめる一本です。


おわりに──この映画がくれた“最初の憧れ”

この映画で見たボンサオの構えに、心を撃ち抜かれてから数年。
いま、自分自身がその技を少しずつ学び、体で理解し始めていることに、武術の道の奥深さと面白さを感じます。

『マスターZ』は、そんな私にとっての原点のひとつのような作品です。
詠春拳のファンも、そうでない人も、ぜひ観てみてください!

映画『マスターZ』のワンシーン風イラスト(ボンサオの構え)

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