師父へのお誕生日プレゼント|一枚の絵に込めた感謝の気持ち

私の師父のお誕生日に、毎年一枚の絵を描いてプレゼントしています。
お祝いするのは、今年で四回目になりました。

最初に絵を贈ったのは、詠春拳を習い始めて半年ほどが経った頃。
その年、師父のお誕生日が近いことを知りました。


自分にできる形で感謝を伝えたかった

詠春拳との出会いは、私にとってまさに転機でした。
もともと運動が苦手で、身体を動かすことに抵抗があったのに、いつの間にか稽古が楽しく、日常の中で自分が変わっていくのを実感していました。その感謝の気持ちを、何かの形で師父に伝えたいと思いました。
でも、まだ日が浅い生徒の立場で高価なプレゼントをするのは、かえって師父の気を遣わせてしまうかもしれない。
また、他の生徒さんやお弟子さんたちの立場を考えても、「物」を贈るのは違う気がしていました。

そんなある日、師父の動きを動画で見ていて、その流れるような型の美しさに「映画のワンシーンみたい」と感じたのです。
ふと、自分がかつて描きたいと目指していた「映画のような漫画」を思い出しました。
結婚や出産を経て、長いあいだ筆を置いていた私にとって、それは記憶の奥にしまっていた、大切な気持ちでした。


描くことで取り戻した「自分らしさ」

ずっと使っていなかったペンやスクリーントーンを引っ張り出し、思い切って描いてみたその一枚。
仕上がった絵を見たとき、自分でも驚くほど良い出来で、そして何より、「描きたかった」という気持ちが戻ってきました。

運動不足の解消以上に、自分を取り戻すきっかけをくれた詠春拳と、師父との出会い
それが嬉しくて、以来毎年、誕生日には一枚の絵を描いて贈るようになりました。


今年の一枚は、水彩画で

今年は水彩で描きました。
師父の透き通るような輝きと、内に秘めた強い志を表現できるよう、色を重ね、光を探りながら描きました。

作品を通じて少しでもその雰囲気が伝われば嬉しいです。
そしてまた来年も、一枚の絵で感謝を伝えられるように。
詠春拳と出会い、自分を大切に生きることを思い出させてくれたこの道に、
あらためてありがとうを伝えたいと思います。

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