書籍紹介: 『孤塁の名人 合気を極めた男・佐川幸義』(津本陽)

※Instagramでは簡単にご紹介しましたが、ここではもう少し掘り下げて、私がこの本から得た気づきや、日々の修行との関わりについて綴ります。

どんな本?

『孤塁の名人 合気を極めた男・佐川幸義』は、伝説的な合気道家である佐川幸義先生の生涯と技の本質に迫る一冊です。著者の津本陽氏は直木賞作家として知られ、その筆致は静かでありながらも非常にドラマチックで、合気道の世界に一歩踏み込んだ臨場感を与えてくれます。

この本は単なる伝記ではなく、佐川先生とその弟子たちの関係、技を受けた人々の感想が丁寧に描かれており、技術の核心に迫る要素が詰まっています。合気道に興味がある方だけでなく、武術や身体操作に関心がある方にもおすすめの一冊です。

印象に残った内容

特に興味深かったのは、佐川先生の技を受けた人々がその感覚を細かく記録している点です。
例えば、ある技を受けたときに「重心の低い位置で崩された」とか、「あの技はこうだった、こう感じた」というような具体的な体験談が随所に散りばめられています。こうした細かい描写は、技の神髄に迫る手がかりを与えてくれると同時に、読者にリアルな感覚を伝えてくれます。

読後の感想

この本を読む前に、木村達雄氏の『透明な力』を読んでいたこともあり、佐川先生と木村氏の師弟関係が第三者の視点で描かれる本書には特別な感慨がありました。
また、高弟子たちとの関わりが描かれる場面では、まるで稽古場の一角に身を置いているかのような臨場感を味わうことができ、非常に楽しめました。

直木賞作家である津本氏の文章は、武術のリアルな描写とドラマチックな展開が見事に融合しており、小説を読むような感覚で一気に引き込まれます。

この本はこんな方におすすめ!

  • 武術や合気道に興味がある方
  • 身体感覚や重心の動きを探求したい方
  • 師弟関係や武術の奥義に触れたい方

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合気道や武術の神髄に迫る一冊。佐川幸義先生の技と師弟関係に興味がある方におすすめです。


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『孤塁の名人 合気を極めた男・佐川幸義』(津本陽 著)表紙

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