使っていない離れから人形が出てきました

⚠️ご注意ください:この記事には古い日本人形の写真が含まれています。
表情や造形が非常にリアルで、生きているかのように感じられるものです。
人形が苦手な方、怖いと感じる方はご無理なさらずページを閉じてください。


我が家には、長いあいだ使われていない離れがあります。
過去には下宿として貸していたこともあるそうですが、すでに50年以上、人が住んだ形跡はありません。

床はところどころ抜け、壁や柱にはツタが絡まり、まるで自然と一体化していく途中のような佇まい。
三年前、武術を始めてからこの離れが気になり「木人を置けるような稽古場にできないか」と思って入ってみることにしました。


タイムカプセルのような空間

離れの中は、かつての引っ越しで出た荷物が山のように積まれており、子どもの靴、鍋やお釜、古い写真、ブラウン管テレビ……
まるで昭和の時代にタイムスリップしたかのような空間です。

一部天井も抜けており、このままでは構造的にも危険。近いうちに崩壊してしまうのではと思います。

そんな中、ひとつだけ気になる箱を見つけました。
何気なく開けた瞬間、心臓が止まりそうになったのです。


中から出てきたのは――人形の頭と手

その箱の中にあったのは、とてもリアルな人形の頭部と両手

一瞬、驚いて声をあげてしまいました。
けれど、よくよく見てみると――とても優しい顔をしていたのです。

髪は結われておらず、自然なまま。
口元はわずかに緩み、歯の造形も細かく丁寧。
あまりに表情が豊かで、今にも話しかけてきそうな気がするほどでした。

写真では分かりにくいですが、この人形には日本舞踊の所作の様な体の捻りがあるんです。 正面に対して体は斜め45度に向いていて、お顔だけ正面を見てる。 デコルテまでの造作でこの捻りを表現出来ているのが素晴らしいです。
見た瞬間に動き出しそうと感じたのはこの捻りの動作から来ているように思います。一歩踏み出す前の体の使い方を感じます。
比較に私の日舞の写真と並べます。向きは反転していますが、胸の面が斜めに向き、右肩が下がって見えます。


作者不明の人形「作好美」

台座の裏には、「作好美」という印がありました。
しかし、それ以外の情報はまったくなく、
人形の名前も、作者も、時代背景も不明。

70代の義両親もこの人形の存在を知らず、
大正生まれの祖母は数年前に他界しています。
一体、いつ・誰が・何のためにこの人形をここへ?


Threadsにて情報募集中

この出来事をThreadsに投稿したところ、「生人形では?」 「菊人形では?」 「等身大の雛人形かも」
とたくさんのご意見や情報をいただきました。

今後は文献などをもとに少しずつ調べてみたいと思っています。
可能であれば鑑定もお願いしたいのですが、以前、蔵の中の物を鑑定してもらった際、
ろくに見ずに「全部まとめて処分費込みで5000円」と言われたことがあり、少し躊躇もしています。
日本人形に詳しい鑑定士さんを見つけることに苦労しそうです。

テレビの鑑定団や探偵ナイトスクープなどに依頼することもおすすめして頂きましたが、テレビが苦手で。
高校の寮にテレビがなかったことから、10代のころにあまり見なくなり、もう20年以上はちゃんとテレビを見ていません。
気になる番組は録画するのですがCMの多さやバラエティーの騒がしさに疲れてしまうのです。


それでも、出会いに意味がある気がして

この人形との出会いに、なんとなく縁のようなものを感じます。
詳しくは書きませんがこの離れには何人もの想いの詰まった過去もあります。

もしかすると、長い間この場所を静かに見守ってくれていたのかもしれません。
これからも大切に保管しつつ、背景を少しずつ紐解いていきたいと思っています。

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