なぜ動きが早くなってしまうのか|理解度と解像度の話

武術の稽古中、型や技を練習していると、
「もっとゆっくりやりましょう」と指摘されることがよくあります。

最初は意識して、ひとつひとつの動作を丁寧に、ゆっくりと心がけます。
それなのに、気がつくと──また動きが速くなってしまっている。

決して、早くしようと思っているわけではない。
かっこよく見せたいわけでもない。
なのに、無意識に動きが加速してしまう。

今日はこの現象について、改めて考えてみました。


速くなる理由|理解度と解像度

なぜ動きが早くなってしまうのか。
私なりに出した答えは、

「理解度が低いから、解像度が低いから」

でした。

型にしても、技にしても、

  • なぜこの動きをするのか
  • どのパーツで、どうつながっているのか
  • それぞれの動作の意味と役割

そうした細部への理解が浅いから、
「全体」を早く処理してしまうのだと思います。

まるで、細かいコマを飛ばしながら再生する動画のように──
知らないうちに、速く・粗くなってしまう。


動きに時間をかける意味

動きを「ゆっくり行う」ことは、単にスピードを落とすことではない。
細部をしっかり見つめ、感じ取り、理解する時間を増やすこと。

型なら、

  • ひとつの手の返しに
  • 一歩踏み出す重心移動に

技なら、

  • 相手との接点に
  • 微細なバランス変化に

もっと時間をかけるべき部分が、必ずある。

その時間を飛ばしてしまうから、理解が進まない。
理解が進まないから、動きが雑になり、結果として速くなる。

そんな悪循環に、今、私はいるのだと感じました。


おわりに|一つ一つの動作と対話する

これからは、意識的に
一つ一つの動作にもっと時間をかけて稽古することを心がけたいと思います。

  • 手のひらの向きひとつ
  • 足裏の重心移動ひとつ
  • 視線の運びひとつ

それぞれに向き合い、
「知っているつもり」ではない、本当の理解に近づいていきたい。

早く動くことは簡単だけれど、
ゆっくり動くことでしか見えないものが、必ずあると信じて。

今日もまた、基本に立ち返る稽古を続けていきます。

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