詠春拳や中国武術に伝わる鍛錬法のひとつに「アイアンパーム(鉄砂掌)」があります。
砂や小石、豆などを詰めた袋を叩き続けて手を鍛える、昔ながらのトレーニング方法です。やり方は流派や先生によって少しずつ違いますが、共通しているのは「コツコツ続けること」。毎日の積み重ねが手の強さと感覚を育ててくれます。
バケツなどに豆と鉄粉をいれて手を突き刺すやり方もありますね。アイアンパームには稽古の前後に特別に調合した薬が必須になるのですが、きっと古くからの衛生環境で破傷風になったり、とても危険な修行だったのだと思います。
失明するリスクもあったとか。現代では医学の知識も増えてより安全な修行になっています。
夏休み明け、袋からポロポロ…
この夏は家族旅行や行事で少し忙しく、アイアンパームをしばらくお休みしていました。
そもそも家でやるには音や振動が大きすぎて家族の迷惑になるので、いつもは人の邪魔にならない場所でやっています。
久しぶりにちょっとだけ室内でしようと袋を用意したところ……なんとチャックが少し開いていたようで、中に入っていたお豆が「ポロポロッ」と床にこぼれ落ちてきたのです。
あわてて拾い集めながらなんだか可笑しくて笑ってしまいました。武術の稽古は真剣勝負でありながらも、こういう小さな出来事にクスッとさせられる瞬間もあるんですよね。
武術の稽古は真剣とユーモアの間に
武術というと厳しい、怖い、痛そう……というイメージを持つ人も多いと思います。
もちろん稽古の中では集中力が必要で、技の習得には真剣さが欠かせません。ですが、実際にはこうした小さな笑いの種もあって、稽古仲間と共有することで雰囲気が和む瞬間があります。
稽古場での失敗やハプニングは、時にはいい思い出になったり、コミュニケーションのきっかけになったりもするんです。
みなさんの「ふふっと笑えるアクシデント」は?
今回は私の「豆ポロポロ事件」をご紹介しましたが、武術に限らず練習や趣味の中でのハプニングって、案外楽しい記憶になりますよね。
ちょっとした失敗も笑いに変えてしまえば、続ける力に変わります。
みなさんの稽古中や練習中に「ふふっ」と笑ってしまった出来事はありますか?
ぜひコメントで教えていただけたら嬉しいです!
