私は海で稽古をするのが好きです。
道場や家のトレーニングルームとはまた違う、自然の中で体を動かす時間は特別なもの。
砂浜を思い切りダッシュすると、ふかふかの砂に足が取られてすぐに息が上がります。普段の教室やお家の床とは違い、足元が安定しないことでバランスを取る力が自然に鍛えられていきます。ほんの数十メートル走っただけでも、体の芯から鍛えられているのを実感できます。
波打ち際を歩くだけでもかなりの体力がいります。波に押し返され、足元が流されそうになりながらも、一歩一歩を確かめるように進んでいく。全身の筋肉が自然と総動員され、無理をしていないのに体幹を鍛えられるのです。
自然の力を感じる稽古
波打ち際を歩きながら、ふと昔おばあちゃんと話したことを思い出しました。
私の生まれ育った沖縄では、お盆の時期は海に入ってはいけないという風習があります。
「波打ち際はあの世とこの世の境目」
「海の生き物にとって陸は死の世界、陸の生き物にとって海は死の世界。どちらかでしか生きられない」
「海は自然の中にも自分の中にもある」
おばあちゃんの言葉を思い出しながら、あんなに遠くの月の引力で大きな海がものすごい力で波打っている不思議や、
60%以上が水分である人体も気圧や自然の力が作用することについて考えてみたり。
万有引力の話や、人の体がなぜバランスを保てるのかといった不思議に、自然の大きな力と、人間の小さな体の関わりを考えると、稽古もまた宇宙の法則の中にあるのだと気づかされます。
海のリズムに合わせて呼吸を整え、足裏で大地を感じながら稽古をすると、体の内側が澄んでいくような感覚があります。まるで自然そのものと会話しているような時間です。
おやつにスイカ
稽古の合間にスイカを食べました。海に行く途中に立ち寄ったスーパーでたまたま安かったので。
海で食べるスイカは格別で、普段より甘さが倍増するように感じます。波音を聞きながらかぶりつくと、子どもの頃の夏休みを思い出し、思わず笑顔になってしまいます。稽古とリラックスが一緒になっているような、不思議に贅沢な時間になりました。
稽古中に自然を感じる瞬間
道場での稽古も大切ですが、こうして自然の中で体を動かすことで「自然の力に逆らわず、調和して動く」という武術の本質をより強く感じることができます。風や波、砂や潮の重さに抗わずに受け入れる。その中で自分の体をどう使うかを学ぶことは、技を磨く以上に心を育ててくれるように思います。
みなさんは稽古の中で、自然の力を感じる瞬間はありますか?
「風を受けて動きが変わった」 「土の上での稽古は特別だった」など、ぜひコメントで教えていただけると嬉しいです😊
