草引きに学ぶこと|どくだみの根と、生きる力について考えた

草引きをしていて、ふと考えさせられたことがありました。

表面に見えている草を引いて「きれいになった」と思っても、
どくだみのような植物は、根がちぎれて残っていればまた必ず生えてきます。

見えないところに、命の元が残っている。
その力強さに、何か大切なことを教えられた気がしました。


見えないものにこそ、本質がある

植物は動物のようには動けません。目も鼻もありません。
それでも、昆虫に似た花を咲かせたり、好まれる匂いを出したりする植物が存在します。

「なぜ似せることができるのか?」
植物は、自分でそれを選んでいるわけではない。
でも、長い年月の中で淘汰され、たまたま“似ていたもの”が残っていく。

そうして生き残った特徴が、まるで“意志をもっているかのよう”に見える。
それが自然の不思議であり、美しさでもあるのだと思います。


春に花を咲かせる理由

植物は、季節の変化をどう感じているのでしょうか。
気温の上昇や日照時間の増加で、光合成からのエネルギーを蓄えることが出来る、花の開花に必要な酵素の働きを活発にすると習いますが、そもそも“なぜ”光合成によってエネルギーを作り出すことが出来るのか?

桜の花は、葉がすべて落ちたあとに狂い咲くことがあります。
葉が落ちたことを、どうやって知っているのか?

見えていないのに、見えているかのように。
聞こえていないのに、感じているかのように。


人間はどうだろう

植物とは違い、人間は自ら動けます。
気に入らなければ場所を変えることができるし、環境を選ぶこともできます。
人との違いを目で見て知る事も、より良くするにはどうすればいいか考える事も出来る。
それまでこの世界に存在しなかったまったく新しい物を作る事も出来る。
環境さえも、自分で作り出すことが出来る。

でもそれでも、環境に左右されるのが人間です。
ならば人間を“人間たらしめているもの”とは──

それはやっぱり、
信念と行動力なのだと思います。

動けることを言い訳にせず、
自分の根をどこに張るかを決めること。
そして揺るがない信念をもつこと。
草引きをしながら、そんなことを考えました。

根のついたどくだみを引き抜く草引きの様子
地上の葉を取っても、地下には命の根が残っている。草引きから学ぶことは多い。

コメントする